【映画感想】『フィッシャーマンズソング』が示す、地位や名声以上に人の心を動かすもの

【映画感想】『フィッシャーマンズソング』が示す、地位や名声以上に人の心を動かすもの

こんにちは、kinacondaです。

久々にイギリスコメディのレビューになります。

最近重いシリアス映画のレビューが続いたので、少し水を得た魚のような心境ですね。(正に漁師がテーマの映画ゆえw)

普段あれだけイギリスらしい割り切れない展開を求めている僕も、今回はさすがに笑って終われることを期待していたような気がします。

 

 

総論としては、コメディというより、ほっこりする映画でしたね。

個人的に言うと、これ以上今すぐイギリスのローカルパブに飛んできたいと思わせるドラマもないかなと。

そんな感じでシンプルに楽しく、あったかいストーリーだった本作品の感想を綴っていきます。

 

 

予告動画とあらすじ

 

 

あらすじ

イギリスのヒットメイカーと
実力派俳優陣が作り上げた
小さな港町のほのぼのした幸せと
厳しい現実のドラマ。

旅先で偶然フィッシャーマンズ・フレンズの浜辺ライブを見かけた音楽マネージャーのダニーは、上司に彼らとの契約を命じられ、小さな港町に居残るハメに。民宿の経営者でシングルマザーのオーウェンはダニーの失言に敵意をむき出しにしていたが、彼が見せた音楽への情熱に心を動かされる。契約できたものの、はたしてフィッシャーマンズ・フレンズは生き馬の目を抜く音楽業界でメジャーデビューできるのか?

バンドとと意地悪な上司に振り回される主人公ダニーには、『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』(16)のティヴィックで知られるダニエル・メイズ。ダニーと恋に落ちるオーウェンには、日本では20年公開予定の話題作『ダウントン・アビー』(19)で主演の1人に抜擢されたタペンス・ミドルトン。オーウェンの父でバンドのリーダーを務める人間嫌いのジムには『ROMA/ローマ』(18)で家族を捨てる父親役で注目されたジェームズ・ピュアフォイが。オーウェンの祖父ジェイゴに『輝ける人生』(16)で亡妻を忘れられないテッドを演じたジェイムズ・ヘイマン。『私は、ダニエル・ブレイク』(16)で世界を泣かせたデイヴ・ジョーンズもテッドの親友役で顔をのぞかせる。

製作陣は日本でもスマッシュヒットした人生賛歌『輝ける人生』(17)のプロデューサーカップルのメグ・レナードとニック・モアクロフト、そして制作会社のフレッド・フィルムズだ。監督は、青春映画『キッズ・イン・ラブ』(16)の新鋭クリス・フォギン。自然豊かな町で仲間や家族に囲まれて暮らす漁師たちと、都会暮らしに疲れきった音楽業界人のカルチャーギャップを軽やかなタッチで描く。

人生には歌とビールとちょっぴりのユーモアが欠かせない。本物の音楽に価値観をひっくり返された男の成長と、海の男たちの熱い絆が爽快な人生賛歌。イギリスの港町sポート・アイザックから上陸!

出典:オフィシャルサイト

 

 

三つの見どころ

本音を言えば、もうシンプルにイギリスの港町とローカルパブの光景を満喫してくれ、で終わりたいくらいです(爆)

でもあれだけ有名俳優が登場している作品をそれで済ませるわけにはいかないので、

今回も僕なりの偏った観点で振り返っていきたいと思います。

 

①実力派音楽マネージャーが発見した思わぬ”原石”

本作の主人公は、音楽ヒットメーカーのダニー。

職場の同僚達と訪れたイギリス最南端の港町で、想像もしていなかった現地漁師の意外な一面を目撃する

最初は物珍しさ程度にしか感じなかった漁師たちの合唱も、徐々に彼らの生き方そのものに心酔し、なんとか自分が世に伝えたいという想いに駆り立てられていく…。

 

②まさかの名声を得る一方で失った仲間と空間

必死で漁村コミュニティに同化しようとするダニーの姿勢と誠意に押され、漁師たちは音楽活動に本腰を入れるようになる。

そして、やはりヒットメーカーの感覚に狂いはなく、彼らは地元民が予想だにしなかった大ヒットを実現することに。

ただ漁村全体が空前のヒットに狂喜乱舞していたのも束の間、大黒柱とも言える大切な仲間との突然の別れ、そしてそのコミュニティに欠かせない空間が失われる危機が彼らを待ち受けていた。

 

③漁師たちがダニーと人々を動かしたもの

空前の大ヒットを実現したダニーと漁師メンバー達であったが、それでも彼らにとって変わらないものがあった。

それは「本業」である海の仕事、仲間同士の絆、そして大切なパブでの時間。

主人公のダニーは、そんな彼らの「文化」を最大限尊重し、そして自らそれを守ろうと動く。

本作品は、地位や名声以上に人を動かすものがあるということを、漁師たちが再確認させてくれる物語です。

 

イギリスらしさで五段階評価

僭越ながら、今回もやらせてきただきます。

僕が勝手に考える「イギリスらしさ」観点で、改めて評価してみました。

  • 暗さ/痛々しさ:★
  • ユーモア:★★★★
  • すっきりしないエンディング:★

 

まずは暗さ/痛々しさですが、今回はそれを求める作品ではなかったですね。

ストーリーの大半を、漁師達が陽気に歌う姿で占められているくらいなので(笑)

とはいえ、世に知られていく過程で幾度か「やらかし」てしまう場面もありますので、その点で星一つとします。

 

次はユーモア。

久々にこれをしっかり評価できる作品で嬉しいですw

まず、主演が数多くのコメディドラマに出演してきたダニエル・メイズだけに、多くの場面で「ずっこけ」シーンが散りばめられています。

ただ、ストーリー全体というより、彼個人のキャラクターに依存した笑いだったという点で、星四つとさせていただきました。

 

そして最後はエンディング。

本来のこの基準に合わせれば0点です(笑)

でも星一つ与えた理由としては、パーフェクトなハッピーエンドではなかったですからね。

当然、そのサクセスストーリーの中で失ったものもあるわけなので・・。

それを踏まえ、星一つ与えないわけにはいきません。

 

この作品が気になる方へのオススメ

以前こちらでもご紹介した『シンクロ・ダンディーズ!』ですね。

テーマが歌からシンクロになった、というのが唯一の違いでしょう。

また、主役が両映画で活躍した有名コメディ俳優、ダニエル・メイズというのも見逃せないポイントですね。

やっぱ、イギリス人て好きなんでしょうね、「今更」なおっさん達ががちゃがちゃやりながらも団結していく姿がw

 

詳細は以下で。

 

 

あともう一つ、歌という共通点で挙げるならば、『アンコール!!』ですね。

老後を迎えた男女が全国大会に向けて邁進していく、という点にシンクロするものがありますが、

トータル的に見ると、少々悲しさが上回る作品だと思います。

最愛の妻に先立たれ、その妻の想いを背負って代わりに歌う主人公の姿は、いつ見ても涙腺を刺激します。

そして何よりその曲と主人公の歌声に、みなさんも心を奪われることでしょう。

僕の場合、主人公の不器用さについ亡き父を投影してしまう、そんなエモーショナルな作品です。

 

 

パブに行こう

結論がおかしいと感じるかもしれませんが、それに尽きます。

この作品を見た大半の方が、イギリス人にとってのパブの意味とその大きさを理解するはずだからです。

実際、イギリスの田舎のパブに行って見ることで、この作品で表現された独特の「温度」を感じることができるでしょう。

漁師の独自の歌文化のように、世代を超えて脈々と受け継がれるルール、流儀、そして人々が交わす言葉。。。

主人公のダニーが漁師たちの日常の全要素に惹きつけられたように、みなさんもその光景から同じような美しさを感じとることができるのではないでしょうか。

少なくとも、この作品を見た後は、日本国内を観光する時でさえ、また違った視点で各土地の人々や光景と向き合えると思います。

(特に奄美大島の居酒屋はオススメ!現地民・観光客・店員関係なくみなで一つになって踊る文化に圧倒されますよ)

 

みなさんも、ぜひこの作品を見て、あったまってください。

そして、時代を超えて引き継がれていくべきその文化を、身近な場所でも感じていただけたらなぁと思います。

 

ではまた。

 

(以下、その他UKコメディ情報↓)

 

 

 

 

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