コンサルファームで求められるスキル【元外資コンサル経験者が語る】

コンサルファームで求められるスキル【元外資コンサル経験者が語る】
今回は、営業職云々関係なく、「そもそもコンサルになるのにはどんなスキルが必要なの?」

 

と疑問に思われる方に、僕の経験談を交えてお伝えしていきます。

コンサルファームで求められる三つのスキル

 

見出しの通り、僕自身の経験上、基本的には以下三つのスキルが不可欠と考えます。

  1. クライアントが属す業界の知見
  2. タスク処理能力
  3. 心身のタフさ

 

では、それぞれ詳しく見て行きましょう。

①クライアントが属す業界の知見

僕自身は、この業界知見こそが、最も重要ではないかと感じています。

というのも、そもそも共通理解がないと、議論に混ざれない、クライアントに信頼されないからです。

いわば、同じ言語を話していないと、会話が成り立たない、くらいの話ですね。

野球好きな人が、全く野球について知らない人にわざわざそれについて語ろうとしないのと同様、

クライアントの方も、話の通じない相手に相談や依頼をしようとは思わないのです。

ただ、コンサルタントが「課題解決」としてそこにいる以上、相談も依頼も受けないコンサルタントに存在価値はありませんよね。

だからこそ、まずは頼られる相手になるために、最低限の業界知識が必要なのです。

 

ただ、当然ながらそれだけでは不十分です。

クライアントがなぜ、月数百万円もの費用を払ってコンサルタントを雇っているのか?

それは、自分達と同じ業界知識を踏まえた上で、コンサルにしかない視点や情報を求めているからです。

従って、基礎用語や業界構造のクイックなキャッチアップもさることながら、

それらのインプットを踏まえて、自分なりの仮説を立てておくことが重要です。

ここでいう「仮説」とは、あるトレンドを切り口に、その業界がどう変わりそれを踏まえてクライアントが何をすべきか、を語るということです。

一つ損保会社の案件を例にすると、

 

「自動運転の普及」というトレンドによって、これまでのリスク計算が成り立たなくなり、その結果、既存の事故リスクに代わり、サイバーセキュリティリスクに対応した商品が求められる

 

ということなどです。

 

たとえそれが間違っていたとしても気にする必要はありません。

それらに答えられるよう、常日頃インプットを通じて思考をしておくことが大切なのです。

長くなりましたので、業界知見がとても大切である理由を改めて以下に整理しておきます。

  • まずはクライアントと同じ土俵に立つ
  • その後クライアントより一歩前に出て、方向性を示す

 

 

②タスク処理能力

 

コンサルと言うと、大量のエクセル処理でゴリゴリ分析し、また精錬されたパワポ資料でプレゼン、というイメージがあるのではないでしょうか。

確かにその側面が強いですし、実際に入社してからしばらくは、エクセルが友達、といわんばかりに一日の大半をスプレッドシートの前で過ごすこともありました。

なぜそれらが重視されるかというと、

コンサルタントはアウトプットでのみ評価されるからです。

最初の頃は、「こんなことするためにコンサルになったんじゃない」と感じることもあるでしょう。

特に僕の場合、その前職が営業だったこともあり、エクセルやパワーポイントがほぼ全く使えない状態で、想像以上に苦労しました。

そんな僕だから言いますが、そこはもう歯を食いしばってやるしかありません。

せっかくなので、資料作成をしていく上で、特に重要なポイントを三つお伝えします。

 

  • 処理速度
  • 見栄えの質
  • 導かれる示唆

 

・処理速度

スピードが重視される理由は、上司のレビュー時間が限られているためです。

まず前提として、コンサルは高いフィーに見合う品質を担保するため、何度もレビューを重ねた上で成果物を納めます。

しかしながら、マネージャー以上になると、他の案件も担当していることが大半です。

従って、上司のレビュー時間を確保することが難しく、限られた時間で効果的にレビューを実施しなければなりません。

その時に、まだ指示されたところまでできていない、では話にならないわけです。

なので、最終化するまでの間は、とにかく“quick & dirty”で、多少質を無視しても期限に間に合わせることが重要です。

 

・見栄えの質

見た目も重要である理由、それは効率的に意思決定を促すためです。

大前提として、資料それ自体に価値があるのではなく、

それによって正しい意思決定を導き、そしてクライアントの変革をもたらすことが重要なのです。

従って、常に資料は整然としていて、誰が見ても一目で論点が明らかである必要があります。

 

そもそも、誰がやってもいい作業なのであれば、わざわざ社員ではなくコンサルに頼む必要はありません。

それをコンサルに依頼されるということは、社員以上に質を求められているということです。

 

・分析から導かれる示唆

例えばエクセル作業をする目的は、そこから何らかの相関関係や解を抽出することです。

従って、ただ綺麗にデータをまとめました、ではいくら時間をかけても誰にも評価されません。

前述の通り、分析資料もあくまで意思決定の材料にすぎないので、それで議論する上司やクライアントはわざわざ細かい中身を見ていません、というより見る暇がありません。

彼らが知りたいのは、「結果何がわかったの?」ということだけなのです。

 

コンサル初期に陥るあるあるで、丁寧に作業することに没頭してしまい、

いざレビューの時に、「んでこの資料で何が言いたいの?」と聞かれ、フリーズしてしまうことがあります。

そうならないための、ポイントは、常にその分析の本質、目的を忘れず、ただの作業にならないよう意識づけることです。

「誰のため、何のための作業かわかってるか?」

僕自身、よくそう指摘されたのを今でもよく思い出しています。。

 

③心身のタフさ

 

どの仕事でも共通かと思いますが、心身のタフさが重要なのは言うまでもありません。

特にコンサルの場合、みなさんも、「激務」「うつ病になる人が多い」、といった話をよく耳にするかもしれません。

どのファームも働き方改革を推進しているとはいえ、正直なところ、まだまだそういった実態が残っているのも事実です。

特に、納期直前は、これでもかと品質にこだわるあまり、結果そうなってしまうという現実があります。(もちろんそうならないようにマネジメントするのが理想ですが。。)

実際に、僕がいた案件でも、納期直前に直上の上司が途中離脱してしまい、

本来上司が取りまとめ、プレゼンすべき報告書を、僕一人でやりきる、ということがありました。

一方で、僕自身も、それ以前に離脱寸前に追い込まれたことがあります。

特に、転職直後の半年くらいは、何一つ基準を満たすことができておらず、毎日上司に罵倒され、いつも疲労感と絶望感に満ちた姿をしていました。

でもそんなときに、当時最もお世話になった上司から言われた言葉があります。

 

「どんな優秀な奴でも、明日消えたら何の価値もない。だから、今日と同じように、明日もそこにいることが大事なんだよ。それだけで物事は一歩進むんだから。」

 

その時に、それまで悩み続けて疲弊していた心がすっとしたのを今でも鮮明に覚えています。

それまで僕は、自分ができないことにばかり頭を悩ませて、目の前が見えなくなっていたんですね。

どれだけ頑張ったところで、明日すぐに自分以外の優秀な同僚と同じレベルには到達できない、であれば自分が今できることをやろう、そう思えたのです。

 

「一個ずつ覚えていけばいいんだよ。」

 

そう付け加えた上司の言葉を頼りに、「今日何か一つでもショートカットや関数を覚えよう」と前向きになり、なんとか耐え抜くことができました。

一定スキルを満たさない若手に対して、ただ罵倒したり、「使えねーな」とあっさり切り捨ててしまう上司が多いあの世界で、その上司と出会えた僕は本当に幸運だったと思います。

 

 

話が若干それてしまいましたが、大事なことは、

どれだけ優秀なコンサルタントでも、途中で離脱してしまっては何の価値も届けられないということです。

たとえ知識や能力が不足していても、なんとかそこで自分ができることをこなし、

一歩でも、そのプロジェクトを前進させることが何より大切なのです。

たとえ醜くとも、今日自分がここで自分がやれることで一つ貢献する、そう思えることが、本当のタフさだと僕は思っています。

 

以上、三つのスキルについてお話してきましたが、いかがだったでしょうか。

想像以上にきつそうだなと思われた方、そんなもんかと思われた方、それぞれいらっしゃるかと思います。

ただこれだけ長く語ってしまったのも、その三つのどれ一つと欠けてはいけないからです。

相手の業界構造を理解し、的確なアクションに導くアウトプットを出し、そして自分ができることをまた明日も続けていく。

言葉にするとシンプルですが、周囲の期待値が当たり前に高いプレッシャーの中で、それを維持していくことは想像以上に大変です。

でも、みなさんは最低限生き残っていく方法を知っていただけたと思うので、ぜひそれを現場で活かしていただけたら幸いです。

 

今回も、最後までお付き合いいただきありがとうございます。

ではまた。

 

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